ＧＯ！ＧＯ！７１８８

世の中女性上位だ。Ｊ−ＰＯＰシーンでは女性シンガーが何かと話題をさらい、オリンピックでは女性の金メダリストたちが幅をきかせている。そんな中、亭主関白の風土で知られる九州・鹿児島から、ついに女性上位のバンド「GO!GO!7188」という一風変わった三人組が現れた。



　メンバーは元同級生というユウ（21）＝ギターとアッコ（21）＝ベースの二人を中心に、雇われドラムスのターキーを加えた三人編成。
　「ＧＯ！ＧＯ！７１８８」とは変わった名前だが、「由来は秘密。携帯電話がヒントね」（アッコ）と（自称・ぶさいくな顔？）でニッコリ。
　「『ぶさいく』は私たちのトレードマーク。だって『ぶさいく』だから仕方がないじゃない。でも、『ブス』と言われると乙女心が傷つくの！」
　『ブス』も『ぶさいく』も同じかと思っていたが、ファッション誌の表紙を飾ったこともあるこの二人。若者の美意識が変わったのだろうか。
　ヤマハ主催のコンテストで全国出場したのを機に昨年６月「太陽」でメジャーデビュー。が、プロ転向を目前にアマチュア時代の男性ドラムスを即刻解雇。代わって現在のターキーを本採用した経緯がある。
　そんな二人から手玉に取られたターキーの感想を聞きたかったが、「恐れをなしてインタビューを欠席」（スタッフ談）。プロフィルに至っては単に『男』と一文字だけが記載されているだけ。その待遇に同情するのみだ。



　そのターキーの思いのたけは新曲「ドタン場でキャンセル」に収録された「地中海」で、二人に向かって「ぶさいく！」と叫び憂さを晴らしている。
　「東京の男って軟派で不愉快なのが多い。ロン毛でスカーフなんか巻くなって言ってやりたい」（アッコ）と手厳しい。
　その言葉どおり、彼女らのライブは実に骨太だ。
　年間１００回以上のステージをこなすつわもので、懐かしいベンチャーズのエレキサウンドにパンクを足した、通称『テケテケ・パンク』。前作「むし」はＮＨＫ「みんなのうた」にも起用され全国区の知名度になりつつある。そのためか、５０代のＧＳファンから小学生まで、ライブに訪れるファン層は幅広い。
　「ライブを見て、初めて私たちの実力に納得してくれる。見た目だけでなめんなよって言ってやりたい」（ユウ）
　恐るべし、女性バンド。
　「でも、理想の男性は宮本武蔵のような侍」（アッコ）
　「私はミッシェル・ガン・エレファント！」（ユウ）
　この時ばかりは、瞳にハートの星をキラキラと輝かせていた。

◆プロフィル◆ 　ユウ（本名・中島優美）１９７９年12月１日鹿児島県生まれ。Ａ型。 　アッコ（本名・浜田亜紀子）１９８０年２月13日鹿児島県生まれ。Ａ型。 　ターキー。男。 　２０００年６月28日「太陽」（東芝ＥＭＩ）でデビュー。同12月６日ファーストアルバム「蛇足歩行」リリース。２００１年４月11日ニューシングル「ドタン場でキャンセル」をリリースする。５月11日名古屋ＣＬＵＢ　ＱＵＡＴＴＲＯ、19日日比谷野外音楽堂でライブを行う。

◆こぼれ話◆ 　「東京の男は根性がない」と、ズバリ言い切るユウ。「今日、ここに来る前にも渋谷で勧誘されたけど、睨みつけたらすぐ諦めたみたい。そこが根性ないよね」と、ケロリとしたもの。彼らの最大の魅力はライブ。自分たちは男だと思って演奏していると言い放つ。内に秘めたるパワーはハンパではないようだ。でも、理想のタイプを聞いたときのふたりの「ポッ」と上気した表情は年頃の女の子そのものだった。