尾崎亜美

　「マイ・ピュア・レディ」や杏里のヒット曲「オリヴィアを聴きながら」などの作者としても知られる人気シンガー・ソングライター尾崎亜美(44)が、12月5日、東京厚生年金会館でデビュー25五周年の記念コンサートを行うことになった。
　細野晴臣、宇崎竜童、鈴木茂、小原礼、デーモン小暮、真矢など豪華なゲスト・ミュージシャンを迎え、「暗いニュースばかりの世の中で少しでも幸せな気分になってもらいたい」と、意気込む尾崎にミュージシャンの心意気を聞いた。

　「あのテロがあった後、ジョン・レノンのイマジンがアメリカの放送局で放送自粛になったのがショックだった」と、残念がる。
　8月22日、尾崎の25周年を記念したアルバム「Ａｍｉｉ―Ｐｈｏｎｉｃ」をリリースした矢先の事件で少なからず動揺は隠せない。
　レコーディングには細野晴臣、高橋幸宏、奥田民生、宇崎竜童、杏里、真矢、シング・ライク・トーキング、デーモン小暮などベテランから若手まで、豪華な顔ぶれが一堂に会した。
　「これだけの顔ぶれがそろうのはスケジュール的にも奇跡的でした。今まで音楽を続けてきて本当に良かった。そして、尾崎亜美でいられることに、幸せを感じています」と顔がほころぶ。
　それが、きっかけで今回の記念コンサートの企画がとんとん拍子で進むことになった。
　「何よりも嬉しいのは憧れの人だった細野晴臣さんとデュエットできること。私が死ぬ時に思い出すかも。それくらい嬉しい」と、少女のように心ときめかせる。
　その一方で、「テロや狂牛病の事件で心が巻き込まれるのが悲しい。歌や音楽の持っている力を信じて、優しい気持ちになってもらいたい」と訴える。
　コンサート当日には「歌うことに正直にいたいから、イマジンも自然に歌うかもしれない」と、尾崎流の“ほんのり”としたラブ＆ピースのメッセージをほのめかした。

◆プロフィル◆ 　尾崎亜美（おざき　あみ）。 １９５７年 ３月１９日京都市生まれ。７６年「瞑想」でデビュー。代表曲に「マイ・ピュア・レディ」、南沙織「春の予感」、杏里「オリヴィアを聴きながら」、松田聖子「天使のウィンク」など。

◆こぼれ話◆ 　記念コンサートに出演する顔ぶれだけでもビッグなイベントになる。それだけに、公表に至るまでには二転三転して、ようやく記事にすることができた。折りしも米国連続テロ事件後で、スポーツ紙での芸能面がカットされている時でギリギリ紙面のスペースを確保することが出来た次第。それだけに、尾崎の「イマジン」への思い入れもよくわかる。ミュージシャンとして、こういう時だからこそ音楽の力を信じてLOVE&PEACEを歌ってほしいのです。