宇崎竜童

　人気タレントの篠原ともえ(21)とベテランロックミュージシャン、宇崎竜童(54)が異色のユニット「篠龍」を結成。
　親子ほどの歳の差を乗り越え、コミカルにアニメの主題歌「キャラだもん」をデュエットしている。
　大人のロックを目指していた宇崎に１８０度の方向転換に至った経緯と現在の心境を聞いた。



　「世の中何が起こるかわからないよ。いかにオレが覚悟したかわかるでしょ！」と、照れることしきりだ。
　が、まんざらでもなさそうでもある。
　18年ぶりのツナギとサングラスという、かつてのダウン･タウン･ブギウギ・バンド風のファッションに派手なアクセサリーを身に 付けた奇抜なスタイルも、不思議に違和感がない。
　「いや、最初は作家としての話しだったのよ。それがディレクターさんから歌ってください、と言われてね。で、それだったら一 人で歌うのは辛いから、以前『美空ひばりトリビュート』のアルバムで一緒に共演した篠原ともえと歌いたいって言ってみたら、 今回のユニット結成になってしまった……」と、頭をかく。
　つまり、宇崎のラブコールに篠原が答えた形で異色のユニット「篠龍」が誕生したわけだ。
　「でもね、その後が大変。このファッションも振り付けも、すべて事後承諾だもんね。篠原にやられっぱなしだよ（笑い）」
　宇崎にとって、初の女性とのユニット。しかも振り付けで歌うのも初めて。それでも、前からテレビで見ていて篠原は興味のある 子だったと打ち明ける。
　「とにかく、ああ見えても頭の回転が速い。最近ではバラエティ番組に慣れてないオレの方が押されっぱなし。だから、自然とオ チをつけよう、なんて会話を考えている自分に気づくんだよね」
　それにしても、つい先ごろまで井上堯之と組んで大人のロックを歌っていた宇崎である。歌を見つめ直す旅に出て、一人東海道五 十三次をバイクにまたがり托鉢の僧侶よろしく宿場町を日本橋から京都までたどり着いたのは２年前だった。
　「それから比べると振幅が激しいよね。でもね、改めて分かったけど、自分ではテレビに出ていると思っていたけど、実際には全 然出ていなかった。だって若い連中は宇崎竜童っていっても知らないもん。どこのおじさんくらいにしか認知されていなかった。 そういう経験ってこのユニットを離れて自分自身に戻ったときに必ず何か残てくれる気がするね。これからは全方位全天候型の ミュージシャンを目指しますよ」
　昨年、愛妻の阿木耀子に「まだ照れがあるわね」とズバリ指摘されたそうだ。
　「どうせやるなら徹底してやろうとその時に覚悟したよ。だって、（ビート）たけしちゃんだってお笑いやりつつ、芸術的な創作 をして
いるわけだし、それはロックミュージシャンだって同じことだと思うよ」
　ユニットを離れた宇崎が次にどんなロックを聞かせてくれるか楽しみは尽きない。