幼児への虐待事件が多発している中、命の尊さと母性を訴えるため、ベテランシンガーの山本潤子(52)が新たな子守唄「童神」を2月20日にリリースする。
自身も二人の子供を持つ母親として、この曲にめぐりあえた喜びと、意気込みを聞いた。
山本潤子といえば、フォークグループ、赤い鳥時代にデビューした曲が「竹田の子守唄」。何かと子守唄には縁がある。
「私のとって『竹田の子守唄』はどちらかといえば労働歌のイメージ。でも、今回の『童神』は子供は天からの授かり物というメッセージが託され、母親の子守唄でもあるんです」と言う。
子供を寝かす子守唄と同時に、現代社会で疲れきった母親の心も癒す曲だという。
「いくら子育てに疲れても、母親が子供を虐待したり、親の身勝手で子供を殺害する親の気持ちが理解できない」と表情を曇らせる。
元々『童神』は、沖縄の女性グループ、ネーネーズのメンバーだった、古謝美佐子が作詞し歌っていた曲で、原曲は沖縄方言（ウチナーグチ）で歌われている。
それを山本が標準語で歌うことで、歌に託された命の尊さと母親の持つ子供への愛情を、全国規模で共感の輪を広げようと、レコーディングをスタートさせた。
「母性が失われつつある、今の時代だからこそ、ぜひ聞いてほしい曲。一生に何度もない名曲に出会えたという実感があります」と、目を輝かせる。
現在、同曲はＮＨＫ「みんなのうた」で放送中だ。
◆プロフィル◆
山本潤子。１９４９年１２月３０日奈良県生まれ。６９年「赤い鳥」結成。ライトミュージックコンテストでグランプリ獲得。７０年６月「竹田の子守唄」でデビュー。「翼をください」「忘れていた朝」などヒット曲多数。７４年ハイファイセット結成、「卒業写真」「フィーリング」が大ヒットする。９４年グループ解散後、ソロ活動開始。２００１年「ソング・フォー・メモリーズU」、０２年２月２０日、「童神（わらびがみ）〜天の子守唄〜」をリリース。◆こぼれ話◆
今回の取材は、二日に渡って行った。実は、インタビューの翌日に撮影することになってしまった。が、その後スタッフとともに麻雀などもしたりして、楽しい一時を過ごすことができた。潤子さん、並びにバードの渡辺社長には、家族共々お世話になっている。今回の「童神」は、潤子さんにとって「竹田の子守唄」に匹敵する貴重な出会いといえる。ぜひとも歌に託されたメッセージに共感の輪が広がることを願っている。
